Alglabnet-Meishi ビルドガイド(組立手順説明書)

自作キーボード基板「Alglabnet-Meishi」のビルドガイド(組立手順説明書)です。

目次


0. はじめに

自作キーボード基板「Alglabnet-Meishi」に興味を持っていただき、ありがとうございます。
Alglabnet-Meishiは私の自己紹介用の名刺基板です。
4キーのマクロパッドとして使うことができます。

組み立て前に、このビルドガイドに一通り目を通していただくようお願いします。
不明な点がありましたら、ぜひお知らせください。お知らせいただく際は、当記事最下部にあるDISQUSにコメントしていただくか、Twitterで @alg0002 にメンションを飛ばしてください。

基本的に、数字の順序どおりに読み作業を進めてください。

例1:
4-1. Pi PicoにPRK Firmware書き込み
4-2. Pi Picoにテスト用keymap.rb書き込み
→4-1.の次に4-2.を行ってください

ただし、数字ではなく英字が出てくることがあります。その場合、いずれかの作業を選んで行ってください。

例2:
4-A. ダイオード(スルーホールタイプ)のはんだ付け
4-B. ダイオード(表面実装タイプ)のはんだ付け
→4-A.と4-B.のいずれかのみを行ってください


1. 必要な部品を確認する

1-1. キットに含まれる部品

キットに含まれる部品です。この表の通りの部品が揃っているかどうか確認してください。
もし欠品があった場合、お問い合わせください。

名称 数量 当記事での略称 備考
Alglabnet-Meishi基板 1 基板

1-2. キットに含まれない必須部品

キットに含まれませんが、完成に必要な部品の一覧です。
これらの部品がないとキーボードとして機能しませんので、別途お買い求めください。
代表的な購入先のURLも載せましたので、参考にしてください。

1-2-1. コントローラー

1-2-1-A. Pro Microを使用する場合

※こちらを使用する場合、「1-2-1-B. RP2040-Zeroを使用する場合」の部品は不要です

名称 数量 購入先 当記事での略称 備考
Pro Micro 1 遊舎工房
TALPKEYBOARD
Daily Craft Keyboard
Micro-B to A USBケーブル 1 遊舎工房
Daily Craft Keyboard
USBケーブル 充電専用ではなく通信ができるものを使用してください
1-2-1-B. RP2040-Zeroを使用する場合

※こちらを使用する場合、「1-2-1-A. Pro Microを使用する場合」の部品は不要です

名称 数量 購入先 当記事での略称 備考
Waveshare RP2040-Zero 1 TALPKEYBOARD
スイッチサイエンス
RP2040-Zero ピンヘッダがはんだ付けされていないものを使用してください
C to A USBケーブル 1 遊舎工房
Daily Craft Keyboard
USBケーブル 充電専用ではなく通信ができるものを使用してください

1-2-2. キースイッチ

1-2-2-A. Kailh Choc V1 スイッチを使用する場合

※こちらを使用する場合、「1-2-2-B. Gateron Low Profile スイッチを使用する場合」の部品は不要です

名称 数量 購入先 当記事での略称 備考
Kailh Choc V1 キースイッチ 4 遊舎工房
TALPKEYBOARD
Daily Craft Keyboard
キースイッチ Choc V2やCherryMX互換は非対応です
Kailh Choc V1用キーキャップ 4 遊舎工房
TALPKEYBOARD
Daily Craft Keyboard
キーキャップ

1-2-2-B. Gateron Low Profile スイッチを使用する場合

※こちらを使用する場合、「1-2-2-A. Kailh Choc V1 スイッチを使用する場合」の部品は不要です

名称 数量 購入先 当記事での略称 備考
Gateron Low Profile Switch 2.0 4 遊舎工房
遊舎工房
Nuphy Japan
beekeeb
スイッチ
CherryMX互換キースイッチ用キーキャップ 4 遊舎工房
TALPKEYBOARD
キーキャップ

1-2-3. 共通部品

名称 数量 購入先 当記事での略称 備考
ゴム足 4 遊舎工房
TALPKEYBOARD
Daily Craft Keyboard

2. 必要な器具や消耗品を調達する

組み立てに必要となるであろう器具や消耗品を確認し、調達します。
代表的な購入先のURL(Amazon.co.jpのものはアフィリエイトリンクです)も載せましたので、参考にしてください。
※すべてが必須というわけではありませんので、当ガイドを見て必要と判断したものを用意してください

名称 購入先 当記事での略称 備考
はんだこて Amazon.co.jp 温度が調節できるものがお勧め
こて台 Amazon.co.jp
はんだ Amazon.co.jp
はんだ吸い取り線 Amazon.co.jp はんだ付けに失敗したときに使用します
はんだ付け作業用マット Amazon.co.jp
ピンセット Amazon.co.jp 小さい部品をつまむのに使いますが、なくてもいいかも
マスキングテープ Amazon.co.jp マステ 一般的なマスキングテープでOKです
ドライバー Amazon.co.jp
キーキャップ引き抜き工具 TALPKEYBOARD キーキャップを外すときに使います
パソコン Amazon.co.jp ファームウェアの書き込みに使用します
テスター 遊舎工房 キーボードがうまく動作しない場合の原因調査に使用します

3. 組み立てる(1)

3-1. コントローラーをはんだ付けする

3-1-A. Pro Microの場合

下の写真を参考に、Pro Microとピンヘッダを基板にはんだ付けします。
Pro Microの向きに気を付けてください。
コネクタが右側および表側にくるように置きます。

はんだ付けが済んだら、飛び出したピンをニッパー等で切り落とします。

3-1-B. RP2040-Zeroの場合

下の写真を参考に、RP2040-Zeroとピンヘッダを基板にはんだ付けします。
RP2040-Zeroの向きに気を付けてください。
コネクタが右側および裏側にくるように(=BOOTやRESETなどのボタンが裏側にくるように)置きます。

はんだ付けが済んだら、飛び出したピンをニッパー等で切り落とします。

3-2. キースイッチをはんだ付けする

3-2-A. Kailh Choc V1 スイッチの場合

スイッチの金属足が上になるように、基板にスイッチを差し込みます。

スイッチがずれたり外れたりしないように、マスキングテープで固定します。

基板の裏から、スイッチの金属足を基板にはんだ付けします。

スイッチのはんだ付けが終わったら、マスキングテープをはがします。

3-2-B. Gateron Low Profile スイッチの場合

スイッチの金属足が下になるように、基板にスイッチを差し込みます。

スイッチがずれたり外れたりしないように、マスキングテープで固定します。

基板の裏から、スイッチの金属足を基板にはんだ付けします。

スイッチのはんだ付けが終わったら、マスキングテープをはがします。


4. ファームウェアを書き込む

サポートしているファームウェアは以下にあります。

4-A. Pro Microの場合:QMK Firmware

QMK Firmwareは、自作キーボードでよく使用される高機能なファームウェアです。

https://raw.githubusercontent.com/alg0002/Alglabnet-Meishi_Firmware/main/QMK/alg0002_alglabnet_meishi_via.hex
上のリンクを右クリックして「名前を付けてリンクを保存」などでファイルを保存します。

保存したファイル「alg0002_alglabnet_meishi_via.hex」をPro Microに書き込みます。
Chrome系のブラウザがあれば、Pro Micro Web Updaterが便利です。

Pro Micro Web Updaterを開いたら、「ファイルの選択」ボタンを押します。
先ほど保存したファイル「alg0002_alglabnet_meishi_via.hex」を選択します。

Pro MicroをPCに接続します。
接続したら、Pro MicroのRSTとGNDの両方にピンセットなどを当てて電気を通します(よく「ショートさせる」と表現されます)。
(ここにRSTとGNDをショートさせている写真)

Pro Micro Web Updaterの「flash」ボタンを押します。
シリアルポートに接続しようとするデバイスの一覧が表示されますので、適切なものを選択して「接続」を押します。
(たいてい1個しか表示されないと思います)
デバイスが表示されない場合、RSTとGNDをもう一度ショートさせてみてください。

少し(数秒~十数秒くらい)待って、「….Verify OK.」と表示されていたら完了です。

Pro Micro Web Updaterが使えない環境の場合、QMK Toolboxを使用してください。
(ここでは説明を割愛します)

ファームウェアの書き込みができたら、4つのキーそれぞれを押してみます。
左から順にA,B,C,Dが入力されれば正常です。

4-B. RP2040-Zeroの場合:PRK Firmware

PRK Firmwareは、キー割り当てなどをRubyでカスタマイズすることができるファームウェアです。

PRK Firmwareのファームウェアファイルをダウンロードします。


基本的に最新版を使うのが良いですが、もし最新版で不具合が出た場合は少し古いバージョンも試してみてください。

USBケーブルをRP2040-ZeroのUSBコネクタに差し込みます。

赤い丸がBOOTボタン
ブートローダーモードにするため、RP2040-ZeroのBOOTボタンを押しながらUSBケーブルをパソコンに接続します。
「RPI-RP2」というUSBマスストレージが認識されるはずです。

先ほどダウンロードしたPRK Firmwareの圧縮ファイルの中には拡張子が「uf2」というファイルがありますので、そのuf2ファイルをUSBマスストレージにコピーします。
少し待つと「RPI-RP2」というUSBマスストレージが認識されなくなり、かわりに「PRK DRIVE」または「PRK Firmware」というUSBマスストレージが認識されます。この状態になったらファームウェアの書き込みは成功です。
上手くいかなかった場合、RP2040-ZeroのBOOTボタンを押しながらパソコンに接続しなおしてみてください。

https://raw.githubusercontent.com/alg0002/Alglabnet-Meishi_Firmware/main/PRK/keymap.rb
上のリンクを右クリックして「名前を付けてリンクを保存」などでファイルを保存します。

保存したkeymap.rbファイルを、「PRK DRIVE」または「PRK Firmware」USBマスストレージにコピーします。
コピーが終わったらリセットボタン(BOOTボタンの隣にある小さいボタン)を押してリセットします。

ファームウェアの書き込みができたら、4つのキーそれぞれを押してみます。
左から順にA,B,C,Dが入力されれば正常です。


5. 組み立てる(2)

5-1. ゴム足を貼る

裏側の四隅の適当な場所にゴム足を貼ります。

5-2. キーキャップを取り付ける

使用したスイッチに適合するキーキャップを取り付けます。


6. キー割り当てを変更する

書き込んだファームウェアによって、やり方が異なります。

6-A. QMK Firmwareの場合

https://raw.githubusercontent.com/alg0002/Alglabnet-Meishi_Firmware/main/QMK/remap/alglabnet_meishi.json
上のリンクを右クリックして「名前を付けてリンクを保存」などでファイルを保存します。

Remapを開きます。

画面中央の「+ KEYBOARD」という部分をクリックします。

デバイスの一覧が表示されるので、「Alglabnet-Meishi」を選択して「接続」をクリックします。

jsonファイルの指定を求められるので、「IMPORT(.JSON)」をクリックし、先ほど保存しておいたファイル「alglabnet_meishi.json」を指定します。

画面上部の変更したいキーに、画面下部から使用したいキーコードをドラッグアンドドロップします。
変更が終わったら右上の「flash」をクリックすると、変更が反映されます。

6-B. PRK Firmwareの場合

4-B. RP2040-Zeroの場合:PRK Firmware で書き込んだ keymap.rb を変更することにより、キー割り当てを変更します。
詳しくはPRK FirmwareのWikiを参照してください。


7. 完成度を上げる(オプション)

※この作業は必須ではありません

側面を基板と同色の油性ペンで塗ると、完成度が上がります。


8. 自慢する

お疲れさまでした!これが最後にしてもっとも重要な手順です。
できあがったAlglabnet-Meishiを、SNSなどで自慢してください。
写真をアップしたり、楽しめた点や苦労した点などをつぶやいたり、思い思いの方法で共有してください。
Twitterで私 @alg0002 宛にメンションを飛ばしていただけるとなお嬉しいです。