3Dプリントで2Dイラストを出力した話

タイトルを見て「な… 何を言ってるのか わからねー」となった方は正常な感覚をお持ちだと思います。
しかしそうとしか言いようがないのでしょうがないです。

HueForgeというソフトウェアを使って、イラストを3Dプリントしました。


目次


0. おことわり

この記事に書かれていることは、私が試行錯誤した内容が多く含まれています。
そのため、「正しい」やり方や「効率の良い」方法が書かれていない可能性があります。

また、2025年6月に購入した時点の情報であり、それ以降の更新については含まれていません。
あなたがこれを読む時点では、いろいろなことが変わっている可能性があります。

以上を踏まえてお読みください。


1. HueForgeって何?

イラストの色やグラデーションの情報をいい感じに変換し、2~数種類程度の少ないフィラメントで様々な色の濃淡を表現したイラストを3Dプリンターで出力することができる、というものです。

有償のソフトウェアですが、個人向けライセンスならさほど高くないです。
(2025/06/22時点で3,900円)
購入は↓こちらから。

2025/06/22時点で以下の4種類があります。

  • Personal Use (Lifetime)
  • Limited Commercial (Annual)
  • Professional Commercial (Annual)
  • Professional (Lifetime)

HueForgeを使って作ったデータや出力物を販売しない場合、Personal Useで充分かと思います。
販売する場合はPersonal Use以外のいずれかを購入します。
詳しくは、購入ページにあるライセンス情報を参照してください。

私はとりあえず Personal Use を選択しました。
作成物の頒布ができそうなくらい習熟したら、他のライセンスを購入しようと考えています。


2. HueForge のインストール

2-1. zipファイルのダウンロード

購入が完了すると、zipファイルのダウンロード画面が表示されます。
また、メールでダウンロード用リンクが通知されますので、いずれかからダウンロードします。
お使いのOSにあったものをダウンロードしてください。
私はWindows版をダウンロードしました。

2-2. zipファイルを展開

ダウンロードしたzipファイルの中には「HueForge」フォルダがあり、その中には多くのフォルダやファイルが含まれています。
この「HueForge」フォルダを適当な場所に展開します。
私は C:\Programs に置きました。

こんな配置にしましたこんな配置にしました

2-3. 最初の起動

HueForge.exe を実行します。

AppData\Roaming 配下にデータ置くけどいい?」みたいなダイアログが表示されたはず……。
(画像をとっておかなかったので曖昧)
特に問題なければそのままOKとかでいいと思います。

なんやかやすると(雑)、最初の画面が表示されますのでOKを押して閉じてください。

最初の画面、OKを押して閉じる最初の画面、OKを押して閉じる


3. HueForge を試す

3-1. 持っているフィラメントの登録

画面左側に様々なフィラメントが表示されます。
この中から、自分が所持していてHueForgeで使う予定があるものにチェックを入れます。

持っているフィラメントにチェックを入れる、Filterで絞り込むことが可能持っているフィラメントにチェックを入れる、Filterで絞り込むことが可能

私は BambuLab Basic Jade WhiteBambuLab Basic CyanBambuLab Matte Charcoal の3つにチェックを入れました。
(最初はとりあえず持っている白と黒などを適当に選ぶといいかもしれません)
チェックを入れたフィラメントが Owned 欄に移動します。

私が最初に選んだ3色のフィラメント私が最初に選んだ3色のフィラメント

PLA以外にもいろいろなフィラメントがプリセットとして用意されているので、必要に応じてチェックを入れてください。

3-2. 適当な画像を読み込み

適当な画像を右側にドラッグ&ドロップします。
画像がない場合はサンプルプロジェクトで試すのも良いです。

当記事では、サンプルプロジェクトの Blended Relief Cameo Example.hfp を選択します。

適当なサンプルプロジェクトを選択しました適当なサンプルプロジェクトを選択しました

3-3. 使用するフィラメントや位置を指定

サンプルプロジェクトを読み込むと、フィラメント部の右に画像・その右隣にグラデーションのバー・右端に画像、という表示になります。

サンプルプロジェクト読み込み直後サンプルプロジェクト読み込み直後

グラデーションのバーみたいなところをいじって、使用するフィラメントやその切り替え位置を指定するようです。
グラデーションのバーみたいなところのてっぺんに Color Core と書いてあるので、以降このグラデーションのバーを Color Core と呼ぶことにします。

Color Core には五角形のかたちをした矢印みたいなものがいくつかあります。
これは使用するフィラメントを表しています。
このサンプルプロジェクトでは白・水色・青・黒の4種を使っているようです。

このサンプルプロジェクトでは4種のフィラメントを使用しているこのサンプルプロジェクトでは4種のフィラメントを使用している

今回は白・青・黒の3種を使う予定なので、1つ余計です。
水色のフィラメントを使用しないよう変更します。
水色の五角形にマウスカーソルをのせた状態でスペースキーを押します。
するとそのフィラメントは無効(Disable)化されます。

水色のフィラメントを無効化したところ、五角形の色が薄くなっている水色のフィラメントを無効化したところ、五角形の色が薄くなっている

残った3つの五角形に、自分が持っているフィラメントを割り当てます。
割り当てるには、左端のフィラメントを3つの五角形のそれぞれにドラッグ&ドロップします。
今回は一番上の五角形に BambuLab Basic Jade White を、次に BambuLab Basic Cyan 、最後を BambuLab Matte Charcoal としました。

残った3種のフィラメントを、所持しているものに置き換えた残った3種のフィラメントを、所持しているものに置き換えた

五角形を上下にドラッグ&ドロップすると、フィラメント右の画像の色合いが変わります。
いい感じの色合いになるように適当にいじります。

ぐりぐりいじると色合いが変わるぐりぐりいじると色合いが変わる

今回は、Jade White が35、 Cyan が23、 Charcoal が13、という位置にしました。

フィラメント位置をいじり終わった状態フィラメント位置をいじり終わった状態

3-4. プロジェクトを保存

フィラメントをいじり終わったら、プロジェクトを保存します。
今回はサンプルプロジェクトをいじったので、サンプルプロジェクトを上書きしないよう別の位置に保存することにします。
適当なところにフォルダを作ってそこに保存しました。

新しくフォルダを作って保存した新しくフォルダを作って保存した

保存後のフォルダの状態保存後のフォルダの状態

プロジェクトを保存すると、3つのファイルが出力されます。

  • ほげほげ.hfp :プロジェクトファイル本体
  • ほげほげ_describe.txt :3Dプリントする際の設定について書かれたテキストファイル
  • ほげほげ_ふがふが.stl :3Dデータ

3-5. スライサーでstlを開いて設定

ほげほげ_ふがふが.stl をスライサーで開きます。
私は Bambu Studio で開きました。

Bambu Studioにstlを読み込んだ状態(一部設定は変更済み)Bambu Studioにstlを読み込んだ状態(一部設定は変更済み)

ほげほげ_describe.txt に書かれた内容に従って、設定を変更します。
今回は以下のようにしました。

  • System presets : 0.08mm Extra Fine
  • Quality - Initial layer height : 0.24 mm
  • Strength - Sparse infill density : 100 %
  • Strength - Sparse infill pattern : Rectilinear

スライスします。
ほげほげ_describe.txt に書かれた内容に従って、途中でフィラメントの入れ替えを指定します。
今回は以下のようにしました。

  • Charcoal で開始
  • Layer 13 (1.20mm) で Cyan に変更
  • Layer 24 (2.08mm) で Jade White に変更

色変え設定色変え設定

3-6. 出力

出力します。
だいたい意図した通りのものができたんじゃないかと思います。

出力結果出力結果


4. おわりに

はじめてのHueForge、いかがでしたでしょうか。
私が感じたHueForgeの楽しさ、少しでも共感していただけたら幸いです。