2021年の自キ活ふりかえり

この記事は、キーボード #2 Advent Calendar 2021 の2日目の記事です。
1日目の記事は kymok さんの「Kailh MX Socket と ALPS EC11/12 兼用フットプリントを作る」でした。

2021年、自作キーボードおよびその関連製品の作成をいろいろ行いました。良い機会なのでそれらをまとめてみます。

個人的な振り返りなので皆様のお役に立つかどうかはわかりませんが、「こんなことやった人もいるのねーふーん」くらいの軽い気持ちで読んでいただければ幸いです。


目次


なんで自キ活?

2020年の12月、JISplit89で自作キーボードの世界に入門しました。
しばらくはそれだけで大満足だったのですが、自作キーボード関連の情報に触れていく中で「他にも作ったり触ったりしてみたいな?」と思うようになりました。
作るのが楽しいから作る、という感じでしたね。


⌨️キーボード

2021年に組み立てたキーボードです。
ほとんどが既製のキットでしたが、自分で配列等を考えてSU120で作ったものもありました。
SU120の作者 e3w2qさん には足を向けて眠れません、ありがとうございます。


⌨️ Acperience12

12キーのマクロパッドです。プロトタイプ版を購入しました。プロトタイプ版ははんだ付けが一切不要なキットで、ネジ止めだけで組み立てられたので非常に楽でした。

PCBサンドイッチ形式のため、側面が空いています。これが気になってどうにかしようと試行錯誤したキーボードでもあります。革紐巻いたり、プチブロックでケースを作ったり、MDFを積み重ねてケースを作ったり……。
今はMDF積層ケースで落ち着きました。リモート会議用のマクロパッドとして元気に活躍してくれています。


⌨️ PiPi Gherkin

自作キーボードでよく利用されるPro Microではなく、Pi Picoを利用したキーボードです。Pi Picoに未来を感じたのと、基板だけなら安かったのとで手を出しました。
Pi Picoを使ったキーボードの入門として、お手軽で良いと思います。

ビルドガイドやプチブロックケースの組み立て方など、ブログのネタにもなって思い出深いキーボードです。


⌨️ ATTACK25 rev3

25キーのマクロパッド。
ロータリーエンコーダーを搭載したマクロパッドが欲しくなり、いくつかの候補のなかから選ばれたのはATTACK25 rev3でした。
キースイッチはソケットではなくはんだ付けで、私にとっては初のはんだ付けでした。ソケット挿入時に足が曲がってしまったスイッチの再利用ができたのが良かったです。
今は主にテンキーとして利用しています。数字入力をまとめて行うときに重宝しています。


⌨️ 格子配列キーボード v1

Cherry MX互換スイッチでスイッチ交換可能で格子配列で分割型、そんなキーボードが欲しくなったのです。突然。
ですが、そういうキットを見つけられませんでした。
ないなら作るの精神で、SU120を使って試作したキーボードです。
……そういうキットがあってもこれを自作したかもしれません。自分だけのものを作るのって楽しいんですよ?

ネタ的にトグルスイッチを搭載しましたが、レイヤー切り替えに使うと割と良いという知見を得られました。OLED等がなくてもレイヤー状態が可視化できるんですよね。2つのレイヤーだけで済むならアリなんじゃないでしょうか、トグルスイッチ。
なんか無闇にカチカチしたくなりますし。カチカチきもちいいです。


⌨️ JISplit89クローン(未完)

手になじんだJISplit89、これと同じ配列のものを自作できないか?という考えから出発しました。が、SU120を分割してちょっと組み合わせたところで止まっています。
SU120でキーボードを作るために、SU120をどう切り離してどうつなげるかを検討するためのツールを作るべきかもしれません。


⌨️ アルミケースマクロパッド

名刺入れとしても使われるアルミケース、これにキーボードを入れて「アルミケースキーボードを作りました!」と言いたいがためだけのキーボードです。
一発ネタが出発点ではありますが、「これはこれで便利に持ち運べるし、刺さる人はいるのでは?」という感触です。
ビルドガイドをまとめるか、完成品として販売するか、してもいいかな?と考えています。


⌨️ テンキーパッド(未完)

ロータリーエンコーダーを4つ搭載した意欲作、になる予定でしたがまだ完成していません……。
Duplex Matrixを使ったファームウェアを自分で書けばちゃんと動くようになる、はずです。


⌨️ 格子配列キーボード v2

最近はこれをメインに使うことが多いです。MX用ソケットとChoc v1用ソケットを両方搭載し、様々なキースイッチを実運用で試してみることを目的として作成したものです。
Choc v1、薄くてよいです。押下圧の軽いスイッチ(35gfとか25gfとか!)もあるのですが、この軽さがかなりお気に入りです。
キーキャップセットの選択肢が壊滅的に少ないのがChoc v1の難点ですね。


🎨Artisanキーキャップ

2021年はArtisanキーキャップの制作にも手を出し、いくつか販売もしました。


🎨 カステラキーキャップ

TALPKEYBOARDさんのツイートやブログで、樹脂粘土を既存キーキャップにかぶせてかわいいキーキャップに仕上げているのを見かけました。
「これならワシにもできそうじゃ」と浅はかにも手をだしたものです。
作ってはみたものの、こういうのを欲しいと思ってくれる人がいるのかどうかわからず販売には踏み切っていません。
欲しい人います?


🎨 穴あきチーズキーキャップ

UVレジンを使ったキーキャップをいくつか試作してみて、「気泡をきれいに抜くのが難しい」という問題にぶち当たりました。
どう対処したらよいか良案が思いつかず、「だったら気泡があってもおかしくないor目立たないものにすればよいのでは?」という発想から生まれたキーキャップです。
気泡が残ったらその上からさらに大きい穴をドリルであけてしまうという、今思うとなかなか脳筋な解決方法。
でもそれなりに反響をいただき、ほぼ週刊キーボードニュースにも取り上げていただきました。これは嬉しかったですね。

何かを創作してそれを世に出すとき、「こんなもの欲しがる人がいるのか???」という思いにとらわれることがあります。このキーキャップもそうでした。でも思い切って発表してよかったです。


🎨 つやつやプリン キーキャップ

Artisanキーキャップといえば根強い人気なのが、プリンをモチーフとしたもの。
SA Row3の形状がプリンにピッタリだな、と思って作りました。
私の制作物の中でも一番の売れ筋です。
もうちょっと独自性のあるものを一番の売れ筋にしたい、という思いもなくはないですが、これはこれで需要があるしかわいいのでアリです。


🎨 オレンジゼリー キーキャップ

プリンがあるならゼリーがあってもいいよね、という安易な思い付きで作ったキーキャップ。
透明なので光の民にもお勧めですよ?


💠その他

キーボード関連製品の制作もしました。


💠 キースイッチテスター組み立てキット

レーザーカットサービスを利用して何か作れないか?というのが出発点でした。そのときちょうどTALPKEYBOARDさんのキースイッチテスターが品切れとなっておりまして、そういうものが欲しい人に少しでもお役に立てれば、と思って販売開始したものです。
今でもたまに売れてます。ありがたや。


💠 JISplit89アクリル積層ケース

アクリルを積み重ねてケースを作る、というのを知り、自分でも作ってみたくなって作りました。
あわせて真鍮製のプレートを採用したこともあって、実現には財布への負荷が高いという実感を得ました。
財布への負荷は高いですが打鍵感はとても好みのものになり、満足度は高いです。
もう少し構造を練り上げていい感じのものができれば販売もしたいなーなどと考えていましたが、果たしてそこまでたどり着くのか?😇


💠 アクリルパームレスト

厚手のアクリルをいい感じにカットしただけのものですが、思ったより綺麗でテンションがあがります。
予備がもう1セットあるので、格安?でお譲りできます。興味のある方はご連絡ください。


今年の感想

こうして振り返ってみると、活動が今年後半に集中していたなーと感じます。
後半は特にSU120で色々作っていますね。SU120はアイディアをサクっと試作することができるので、非常に便利です。「自分でキーボード設計?難しそう……」とためらっている方にお勧めしたいです。SU120はいいぞ。
サリチル酸さんのdiscordサーバー「自キ温泉街案内所」で色々な方の情報に触れる機会を得たことも、今年の自キ活に大きく影響している気がします。自キ温泉はいいぞ。


来年は何する?

自分で基板を設計します!たぶん。Pi Picoを作った格子配列分割キーボードを設計するつもりです。


終わりに

この記事は、自作格子配列キーボード(SU120)で書きました。
明日は dororich さんの「2021年の散財記録をまとめます(予定)」の予定です。